欠陥から家を守ろう コンクリートの品質検査 検査して安心

私どもは、各業者との事前に打ち合わせをし加水をさせません。
加水を発見した場合には、生コン業者であれば経済産業省に通報します。最悪の場合JIS取り消しになりますし、ポンプ業者・基礎業者であれば元請け(ハウスメーカー)に連絡すればハウスメーカーは取引を中止すると思われます。
打設したコンクリートは、取り壊しとなり新たに基礎を造らなければなりません。
そこまでのリスクを覚悟で加水する事は出来ないでしょう。
コンクリートの欠陥は打設前の検査で未然に防ぎましょう。

写真-1
写真-2


写真-3


写真-4



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不正の現場


基礎業者による加水
さいたま市の某所の大手ハウスメーカーの現場に品質試験に行きました。
私が品質試験用の試料を採取したのち、基礎業者の指示によりミキサーの運転手が加水していました。
運転手に確認すると基礎業者から仕事を貰っているため断ることが出来ないとの事でした。
コンクリートの発注システムを変えないと加水を無くすことは不可能と考えます。
大手メーカーでも加水が行われている事を考えると中小の業者では加水は一般的に行われている可能性があります。

流動化処理土
左下の写真-1は、アジデータ車内に付着していた流動化処理土(埋戻し材)という材料です。
流動化処理土は、一軸圧縮強さが0.2〜0.5N/mm2程度で(指で押せばつぶれてしまう)生コンの強度の100/1程度の強さしかありません。これが生コンの中に入っていたら強度は相当低くなるものと考えられます。
首都圏では、10数年前から流動化処理土による埋戻しが行われています。
流動化処理土の運搬には生コンで使用するアジテータ車が使われています。
下の写真は前日に流動化処理土を運搬したアジデータ車から出た物です。
この工場では傭車(リース車)は生コンを運搬する前に少量の粗骨材と水をドラムに入れ高速撹拌させ、ドラム内の付着物を排出させるのですが、出てきた物はコンクリートガラではなく流動化処理土の塊でした。流動化処理土を運搬するアジテータ車は、流動化処理土を専門に運搬するのではなく生コンも運搬します。この写真のような流動化処理土の塊は、コンクリート構造物の一部分となっているものと考えています。神奈川の溶融スラグ混入事件よりも重大な問題ではないでしょうか。
                        
ミキサー運転手による加水
都内某所の現場で、私が品質試験を終了し試料をコンクリートポンプ車に戻しに行くと試験をした試料とは明らかに違う性状でした。ミキサー車を見てみるとコンクリートが流れていかない為に運転者が加水しながらコンクリートを荷下ろししていました。
注意をすると『固くて流れないから』とのことでした。
この工場もJIS工場です。社員教育はしていないようです。 
                   
ポンプ業者による加水
現場に着くとポンプ車が新車でまだ何度も使ってないようです。
案の定1台目のミキサー車の荷下ろしが終わるとホッパーの脇にこぼれたコンクリートを洗っています。
洗い水は、ホッパーの中へコクリートは水のように軟らかくなっています。
これでは強度は、設計基準強度以下になっていると思います。

基礎業者による加水
越谷の戸建ての現場での加水です。
基礎業者に配合を確認するとスランプ15cmとのこと、15では固くて打設出来ないので試料を採取したら加水するとのこと、スランプが小さくて打設できないなら最初からスランプ18cmで打設した方が良いのですが。打設状況を確認するとバイブレーターも使わずに打設しています。          
 
鉄筋のかぶり不足
某マンションの現場では、1階スラブの下筋が土から2cmしかかぶりがなく立ち上がり部分では、型枠から1cmしかかぶりがありません。建築基準法の最小かぶり以下であり、中性化の進行により早期にコンクリート中の鉄筋が錆びるおそれががあります。

基礎業者による加水およびかぶり不足
板橋区の 戸建て住宅の現場での加水です。戸建て現場で加水に遭遇する確率が高いのは、コンクリートポンプ車を使わない現場です。安価で請け負っているのかポンプ車の予算が無いのでしょう。
試験用の試料を採取後に加水です。シュートで打設のためスランプは23cmはありそうです。
建て売り住宅のようですが、試験データとは全く違うコンクリートが打設されている現実を消費者の方は知らずにコンクリートの試験結果で満足されている現実を造る側の人間はどう考えているのでしょうか。

基礎下の採石の転圧不足
埼玉県のアパートの現場では、捨てコンのあちこちにクラックが入っています。採石の転圧不足ではなく転圧していないのではないでしょうか。
今日は基礎ベースの打設ですが前日までの雨でベースの数カ所に土が溜まっています。
この現場も水道は無く溜まった土を洗い流すことも、コンクリートの打設前に型枠への散水を行うことは不可能です。
             
指定確認検査機関
建築基準法に基づき、建築確認や検査を行う機関として国土交通大臣や都道府県知事から指定された民間の機関である。それまで地方公共団体の建築主事だけが行っていた建築確認の民間開放を目的に改正された建築基準法が平成11年5月1日に施行されたことにより制度化された。
消費者サイドは、第三者的な検査機関と思っていますが実はほとんどの民間検査機関は、天下り組織・大手住宅メーカー・ゼネコン・電力・ガス等が出資する会社だそうです。
大手の日本ERIはミサワホーム・ダイワハウス・パナホーム・三井ホーム・積水化学工業の出資である。
メーカー出資の検査機関が適切な検査をするとは考えられません。業務提携している欠陥検査の建築士のところにも、指定検査機関の検査では問題無しとの建物の欠陥調査の依頼が沢山あるとのこと、この第三者機関へn検査の依頼は施工業者がおこないます(費用は施主負担)つまり第三者機関にとって施工者は顧客となります。お客様が困るような検査はしない(出来ない)と言うことです。

鉄筋洗浄時の加水
マンション等の現場では、壁部分のコンクリートを打設する時は、上階の床部分からコンクリートを打設する事が多いのですが、鉄筋に付着したコンクリートをブラシに少量の水を付けて綺麗に洗浄します。
少量の水なのでコンクリートの品質に大きな影響は無いと考えています。
今日行った現場では、鉄筋の洗浄にジェットホースを使用しています。鉄筋は綺麗になりますがコンクリートの品質が心配です。壁の中を水のように流れていくコンクリートがあります。
ジェットホースを使っているのは現場監督です。

コンクリート試験
首都圏では、コンクリートの試験を生コン工場ではなくコンクリート採取業者(第三者)がおこなうことが一般的です。自社の(生コン工場)製品を試験し不合格とする事は考えられないからです。スランプ・空気量等は試験業者の腕で基準値外の製品を合格品に変えることは難しくありません。スランプ試験はベテラン試験員が試験をすればスランプ15cmを8cmで抜くことは簡単です。
現場での性状試験は、コンクリートの品質を確認しつつ28日後の強度が基準値を満足するかを確認する為のものだと考えています。この試験業者(第三者)への依頼は施工者がおこないます。適切な試験をおこなう業者もありますが少なからず手抜きをおこなう業者もあるようです。
写真と書類だけでは、本当のコンクリートの品質は分かりません。

コンクリートの不法投棄
左上の鉄筋の写真-2と3は、これからコンクリートを打設する耐圧盤の鉄筋です。
まだコンクリートを打設していないのに一部分に乾いたコンクリートがあるのがわかるかと思います。
前回の打ち残しコンクリートを耐圧盤のこんな所に捨てています。
この後に耐圧盤コンクリートを打設したのでこの不法投棄を発見することはもう出来ません。
表面上のコンクリートは綺麗に打設されたとしても見えないところがこれでは耐久性が心配です。
昔のコンクリート打設では、煙草の吸殻や空き缶をコンクリートの中に捨てていたようですが現在でもこんな事をしているんですね。
戸建て住宅の現場でしたが土地も広く残コンを捨てるところはあるのですが、この業界にはモラルと言う言葉は無いのかもしれません
建材試験センターのデータ改ざん
数年前の出来事ですが財団法人建材試験センターに流動化処理土の一軸圧縮試験を依頼した事がありました。
流動化処理土とは、山砂に代わる埋め戻し材で建設発生土を有効利用しており環境に優しい材料です。
建材試験センターは、コンクリートの試験では実績があるのですが土関係の試験は素人が試験をしているようで試験結果は私が考えていた数値とは随分違い強度割れしているとのことです。
数値が違うのではと問い合わせると「土の試験はこんなものです」との返答が返ってきました。
建材試験センターに強度割れの供試体を出す馬鹿はまず居ません。
供試体を差し替えるなりするでしょう。
供試体の状況を確認すると完全には破断していないようなのでラップで固く巻いておくように頼み4日後に建材試験センターへ供試体に爪を立ててみると30N/cm2程度はの強さはあると思われます。建材試験センターの結果は12N/cm2程度でした。私の目の前でもう一度試験すると30N/cm2程度の値が出ました。
材齢は4日ほど過ぎていますが4日で18N/cm2も一軸圧縮強さは伸びません。
ここで初めて建材試験センターの室長が出てきて「おたくの好きな数字でデータを作るので数字を言ってくれ」と言われました。
数字の作成は断り、建材試験センターが改ざんデータにて成績書を発行しました。
今回のミスは試験者の技量不足および試験機の検定をしていないのが原因との報告書を頂きました。それから約3年後にまた強度割れのデータが、今回はいきなりデータの改ざんでは無くコアを抜いて一軸圧縮強さを確認したいとのこと、残念なことに流動化処理土は、再掘削出来るように一軸圧縮強さに上限があります。コアを抜くころには一軸圧縮強さは上限を超える可能性があります。
結局前回と同様に建材試験センターがデータを改ざんしました。
試験機の検定の事を確認すると検定していないとの事、約3年間も検定を受けていない試験機で試験する財団法人がここに存在します。
数日後に会社に建材試験センターの人間が謝りに来たのですが、請求書を持って来たのには驚きました。
(あの試験でお金を取る感覚がおかしい)
現在では、優秀な民間の第三者機関があるので如何わしい財団法人は閉鎖すべきです。









構造欠陥でマンション建て替え
分譲マンション大手の大京(東京)が1996年から販売した川崎区川崎のライオンズマンション京町(7階建て、72戸)で柱への発砲スチロールなど異物混入や鉄筋不足など構造上の欠陥が判明し、大京と施工会社が費用を全額負担して異例の建て替えをすることが27日、川崎市などへの取材で分かった。 同マンションは川崎区京町2丁目に97年3月完成。施工は東亜建設工業(東京)だったが、実際は都内の別の建設業者に工事を一括外注。
大京と東亜建設工業が建て替え費用約16億6千万円と引っ越し代などを払うことで今年3月に合意。今後解体し、来年夏に着工、13年完了の予定。
基礎鉄筋のかぶり無し
写真-4の下のほうに茶色っぽく見えるのは、かぶりの全くない鉄筋です。
2年ほど前に新築された家ですが、鉄筋が錆びていなかったのか気がつきませんでした。
基礎を見回してみると30cm間隔位で鉄筋が露出しています。
モルタル等で隠すこともなく欠陥が発見されてもかまわないのでしょうか。
近くで建てた共済系の住宅では、基礎部分に煙草の吸殻がありましたが上から化粧版を張って隠してしまっています。
加水を注意出来ない現場監督
戸建て住宅の現場でポンプ屋の加水を発見し、現場監督に知らせました。
現場監督は、注意することも加水を止めされることもなく加水されたコンクリートは打設され構造物となっています。
現場監督と職人の関係は、職人がベテランで監督が若いと職人の方が大きな態度で仕事をする場合が多いようです。
欠陥コンクリートを打設させないためには、コンクリート打設時の立会検査しかありません。
硬化後では、加水を発見することは不可能です。
下請構造
ゼネコンやハウスメーカーは、自社の職人を抱えている業者は稀で殆どは下請け業者が工事を行っています。つまり施主が契約を交わす業者と実際に施工する業者は違うのです。
元請け・下請け・孫請け・ひ孫請け、業者が増えるということは、それぞれが利益をとるのですから末端の業者の取り分はごく僅かでしょう。
末端の施工部隊は、安い単価で仕事をするのですから手抜き工事で利益をだすしか無いのです。
工事現場には、監督が居ると思っていますか?居ないことの方が多いので下請けの業者は材料の質を落とし、コンクリートに加水し(施工性アップ)、などなど手抜きをします。
怖ろしい事に手抜き工事をされても完成した後では外観から欠陥を発見することは出来ません。
空気量を測定しない試験業者

今日はコンクリートの荷下ろしから確認する設計さんの現場です。現場に到着すると土間部分の鉄筋が組み終わっていません。
打設開始時間になると設計さんが現場に到着し、鉄筋の業況を確認し現場監督を叱り始めました「かぶり確保出来て無いし、時間通りに打設出来るのか」自らサイコロで(かぶりを確保する物)かぶりを確保し、鉄筋を結束しています。予定時間通りに打設開始です。
試験をしていると近隣の方が私の試験状況を見ています。
『貴方は空気量を測定するんですね』えっ空気量を測定しない試験業者居るんですかと聞いてみると『あっちの試験屋は空気量を測定していないよ』以前に生コン工場に勤務されていた近隣の方のようで試験の事をよく知っています
少し離れた所から試験状況を見てみると他の道具は洗ってあるのにエアーメーターはセットしてあり針も基準値内になっています。
コンクリートを採取し試験を始めたので近隣の方と遠くから見ているとスランプ試験後にテストピースを詰めています。
やっぱり空気量は測定しません。空気量が分からなくて強度は心配ではないのでしょうか?こんな事をする試験屋ですから強度が出ていなければテストピースを差し替えているんでしょう。

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